変わらないものと変わりゆくもの。壮大かつノスタルジックな世界が、奈良を舞台に繰り広げられる。これぞ、上質な大人の歌謡曲。
奈良は「万葉集」や神話にも登場する、美しい山と川に抱かれた土地です。その奈良を舞台に、今と昔とが交錯する物語、それが今作「時の風、いにしえの街」です。
懐かしい場所で、若き日のほろ苦い恋の記憶をたどる主人公。でも、そこでは長い歳月の中で、幾千万の人達が出逢い、恋をして、愛し合い、傷つけ、別れて行ったのです。
時には自分達の意志に反して、争いや天災で引き裂かれた人達もいたでしょう。
悠久の時の風は、今日も歌うように問いかけます。
「愛していたのはなぜ 恋していたのはなぜ」
作詞家 冬弓ちひろ