井上ヒロシが高林こうこの描く世界をドラマチックに歌う!
【女友達】
彼女は2012年9月、45才でその生涯を閉じた。ジャーナリストで戦場カメラマンだった彼女、内線が続くシリアでの取材中に銃撃により散らされた命。それまでに捉えた映像には生死の選択を許されず追い詰められた多くの人々の恐怖、悲しみ、無念の表情が有った。そして又、彼女の優しさを慕い、取り囲む子供達の写真も有った強くて優しくて、僕には誰よりも愛しい人だった。
【記念日】
結婚届を出した日、二人で大きなキャンドルを買った。 一年ごとに巡り来る結婚記念日、キャンドルに赤い線を引く 今年でその線は10本になったけど、約束した指輪は、10個のダイヤを 散りばめた指輪はまだ買えていない。 いいのよ、君は優しく笑って言った。 じゃあね素敵な曲を書いて、もうそれで充分と…。
【夜桜】
優しくしないで下さい。振り向かないで消えてください。残るのは月と桜と私だけ、あなたが見えなくなってから私、桜吹雪の真ん中で狂ったように叫びます。愛していたと戻って来てと 泣くだけ泣いて…そして泣いて ゆっくり明日へと向かいます。
【Shadow Love】
別れ際、君は言ったね「半年間ありがとう、幸せだったわ」。 こうも言った、「何年か過ぎて、何処かで出逢って 二人の子供の手をつないでいたりして あらっ元気そうね、爽やかに言えたらね」 僕は沈黙した。僕の総てを許して去っていった君。その背中が小さく震えて、愛の暮らしは終わった。
【Father】
パパ、今更、言いたいことは有りません。一杯あるけれど言えません、だから、この歌を聞いてください。 普通に歌ったら多分最後まで私歌えないでしょう。 こんな形で、大好きなパパに捧げる歌聞いてね。
【黄色い椿】
黄色い椿は1586年ベトナムで発表され、世界的に珍しい色の椿は注目の存在 になりました。私も見たことのない黄色い椿に憧れて物語を編みました。 アオザイを纏い椿の化身のような娘と日本の青年の恋。ハッピーエンドに したかったのですが、黄色い椿はそんな結末を許さずに、青年は今も異国の 女性に想いを馳せてつぶやいているのです。 ベトナムの三月は春めいていますか貴女への恋しさを断ち切れぬ僕です。